アリウム・ギガンチューム

4/7
前へ
/40ページ
次へ
藤堂のビルは、相変わらず手強い。 躊躇する心を抑えて、決心して扉を開ける。 「藤堂さん、いますか?」 受付に訪ねれば、また少し待たされて。 それにも慣れた私は、スマホの液晶を拭いて時間を潰していた。 待たされすぎていると感じたのは、正午を過ぎてからだ。 いい加減藤堂の携帯が心配になり、再び受付に話しに行った。 「申し訳ありませんが、アポイントのないかたについては、お通しできないことになっています」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

565人が本棚に入れています
本棚に追加