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藤堂のビルは、相変わらず手強い。
躊躇する心を抑えて、決心して扉を開ける。
「藤堂さん、いますか?」
受付に訪ねれば、また少し待たされて。
それにも慣れた私は、スマホの液晶を拭いて時間を潰していた。
待たされすぎていると感じたのは、正午を過ぎてからだ。
いい加減藤堂の携帯が心配になり、再び受付に話しに行った。
「申し訳ありませんが、アポイントのないかたについては、お通しできないことになっています」
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