アリウム・ギガンチューム

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会社の外まで連れられて、ようやく腕は離される。 木々を揺らす、風の音がした。 「いい加減にしてもらえませんか?」 これは、どういう意味だろう。 「彼は社の代表ですよ? あなたみたいな女が何度も会社に訪ねてきたら、彼の信用に関わることくらいわかるでしょう」 あなたみたいな女、という言葉で、世間からの、少なくとも黒木さんからの評価を知る。 そうか。 私って、知られて恥ずかしい人間だったんだ。
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