アリウム・ギガンチューム

7/7
前へ
/40ページ
次へ
それからはどう歩いたかも覚えていない。 気づいたら有名なホテルの近くまで来ていて、私はぼんやりと頭上を見渡した。 あんなに晴れていた空が、いつの間にか曇っている。 ぽつりぽつりと、雨は降ってきた。 悔しいと、思うことさえ悔しいくらい、屈辱的な出来事で。 私は多分、風俗に勤めると決めたあの日でさえ、こんな侮辱を受けたことはなかった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

565人が本棚に入れています
本棚に追加