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一行の家路への旅は、滞りなくなく進んだ。
タニール山脈を越え、ニール街道を突き進み、港街ロムダへと到着した。
此処から船に乗れば、故郷に帰れる。
エルスは道中、おかしな事に気付いた。
胸の心臓の辺りに感じる違和感。
そして、まるでその心臓から、木が根を張るかのように、毎日血管がドクドクいっていた。
精神的には力を吸いとられるかのような、衰えの様なものを感じたが、肉体的には、力がみなぎる様な感覚を覚えた。
夜毎、眠る度にあの赤い目をした老人の夢を見た。
何か語りかけるかの様な、嗄れた声。
毎日の様に感じる悪寒は、強くなった。
赤い目をした老人の嗄れ声が、エルスを惑わせた。
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