801人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
「ごめん」
電話を終えたのんが、あたしの前に戻ってきた。
はにかんだ笑顔を向けながら。
その表情を見るだけで胸がギュッと締め付けられるけれど、それが逆に心地良くて。
つられてあたしも口元が緩んだ。
「のん、いきなり呼んじゃってごめんね。……嬉しかった」
プロポーズには答えられないけれど、気持ちには素直になりたいから。
正直に気持ちを口にした。
「小梅に呼ばれたら、いつでも駆けつけるよ」
目を細めて歯を見せ、まるで子供みたいな無邪気な笑顔を見せるのん。
ねぇ、のん。
今はまだ、あたしの気持ちに気付かないで。
もう少し芽を成長させてから、伝えたいの。
自分勝手でごめん。
でも許して。
そう思うのは大事な存在だからなの。
最初のコメントを投稿しよう！