流れる花びら

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「大丈夫?小梅」 「うん、ちょっと緊張しちゃって……」 「いきなりだったもんね、ごめん。 でも小梅に会ってもらいたかったから」 うう、そんな事言われたら断るに断れない。 ……のんにお願いされたら、断るつもりもなかったけど。 「行こ、先に店行ってもらってるから」 「うん」 どうかのんのいとこの前で、粗相しませんように…… あたしは自分に念を押しながら、のんが開けてくれた助手席に乗り込んだ。 「着いたよ」 シートベルトを外しながら、笑みをあたしにくれるのん。 ……親族と会うから、かしこまった所に行くかと思ってた。 着いた先はケンスケさんのお店でフランクな感じがあたしを安心させてくれ、少し気持ちが軽くなる。 いつものようにのれんを潜ると、暖かい雰囲気があたしを迎え入れてくれた。 「いらっしゃい」 微笑みかけてくれる女将さんに会釈を返してのんに付いていくと、奥の席に1人座っているスーツ姿の人が目に入った。 ……あの人かな。 一歩一歩近づくにつれ、心拍数もトクトクと上がって行く。
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