流れる花びら

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もう、のんったら…… 鏡の前で髪を整えながら、先程のやりとりをボンヤリ思い出す。 あれって……ヤキモチだよね。 凄く分かり易くて、子供っぽいけれど。 嫌ではない。 真っ直ぐな所が、のんの良いところだもんね。 あたしは呼吸を整えてから、トイレのドアを開けた。 まだのん酔っぱらってるかな。 席まではまだ距離があるけれど、のんの声が耳まで届き、ふと足を止める。 「……から、俺は母さんにちゃんと紹介できるよ」 「叔母さんも散々言ってたぞ。早く叔母さんを安心させてやれ」 「分かってるよ、だからしのちゃんにも会わせたんだから」 「あの子大丈夫なのか?」 「……多分」 ……な、に? 何の話? 聞いちゃいけない予感がするのに 足が張り付いたように、動かない。 「母さんを安心させるために結婚急ぐなんて、嫌なんだけどな」
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