Episode 14 dirty night――ダーティー・ナイト

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その日は奇しくも星蘭も紅緒も留守だった。 レンは見計らったように 僕の書斎にやってきた。 「ねえ、子爵様――足の包帯、巻き直すの手伝って欲しいんだけど」 床を引きずる長い包帯を片手に ノックもなく現れた堕天使は 片足立ちで書斎のドアにしなだれかかる。 「いけませんレン様……!」 傍らにいた潤が、礼儀知らずの居候におろおろして声を上げた。 「子爵様はお忙しいのです。そんな事でしたら私が――」 レンは冷静に僕を見つめたまま 肩をすくめブロンドの髪を揺らす。
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