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家に着くと、珍しく涼のお母さんが来ていた。
ママと二人、リビングに座ってコーヒーを飲んでいた。
あれ以来涼の家には行っていないし、そのまま夏休みに入ったから涼とは会っていない。
朝、ガレージから自転車を出す音と、夕方帰って来た自転車のブレーキの音しか聞いて無い。
涼の姿をひと目見ると、何かが崩れそうで、自分なりに頑張っていることが全て壊れてしまいそうで、涼の姿を見られなかったのだ。
涼のお母さんに会うのさえ気まずくて、リビングのドアの前で躊躇っていると、ママとの二人の会話が聞こえて来た。
「えっ?涼君にも彼女が?」
向かい合わせに座っていたママが身を乗り出した。
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