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今日は久々になっちゃんと二人きりの女子デート。
朝からウキウキしてたのには、勿論これもある。
高校時代からの親友ではあるけれど、最近お互いに仕事が忙しくなってなかなか会う機会もない。
女子トークを炸裂しながら少し早めの夕食を済ませ、彼女に促されるがままウインドウショッピングへと足を運んだ。
「ヒカル、見て見て。すっごくカワイイよ」
オシャレなジュエリーショップに飛び込んだなっちゃんが感嘆の声をあげる。
あたしには似つかわしくない、ちょっと高級なジュエリーに囲まれてドキドキしながら彼女の元へ向かった。
「ほら、見て~」
なっちゃんが差し伸べた指先の付け根には、目映く光る宝石の輝くリング。
「わ、本当。綺麗だね」
思わず口を開くと、彼女はにっこり笑ってあたしの背中を押す。
目の前にずらりと並ぶ、リングのショーケースに、思わずごくりと息を飲んだ。
「ヒカルもつけてみたら?」
「えぇ?あ、あたしはいいよっ」
綺麗な宝石だとか、素敵な指輪だとか、興味がないと言う以前にあたしには縁がない代物。
ぶんぶんっと大きく首を横に振り続けると、彼女はクスクスと笑ってあたしの手を引いた。
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