師匠、私未成年なのに遊郭に行ってもよろしいのでしょうか?

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*** 「ちぇっ、一君のケチ」 僕は地面にあった小石を思いっきり蹴った。 蹴った小石は庭に植えられた木に当たり、地面を転がる。 僕は溜息を吐きながら縁側に座った。 上を見れば、透き通るような青空に浮かぶ、白い雲が見えた。 …あの雲、さっきのみたらし団子に見える。 そう思った瞬間、腹の虫が甘味を食わせろと盛大に鳴きはじめた。 おもむろに懐から財布を取り出し、中を見てみる。が、すぐに財布を閉じた。 …これじゃ、団子一本も買えない。 またまた出てくる溜息。 やっぱりさっき、貰っておけばよかったかな…。でも…。 頭に浮かぶのはあの子の顔。 突然屯所にやってきて、僕の三段突きを防ぎ尚且つ僕に勝った女の子、天宮蒼蝶。 正直言えば、僕はもう彼女の事を怒ってはいない。もちろん近藤さんの前で負けたのは屈辱だ。 掌に爪が喰い込むほど悔しかった。 でも、僕が負けたのは僕が弱かったから。 彼女のせいではない、と今なら思える。 試合の後、木刀で殴り掛かろうとしたから、それだけでも謝ろうと思ったんだけど、時間が経つに連れどんどん謝り辛くなって、現在でも謝れずにいる。 それに僕の捻くれた性格が邪魔をして、彼女に傷つける様な事ばかり言っている。 でも、彼女だって僕を見るたびに怯えた様な目をしているんだ。 一君や平助達の前ではニコニコしてるのにさ。 …まぁ、こんなの言い訳だよね。 木刀で撲られそうになったんだ。怯えない筈がない。
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