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胸にモヤモヤした気持ち悪い感覚を抱えながら立ち上がる。
この気持ち悪い感覚を少しでも晴らすために、稽古をしている隊士の所に行ったんだけど…
「おっ、沖田組長がきたぞぉぉぉ!!」
「全員、戦闘体勢に入れぇぇ!!」
僕を視界に捕えた瞬間、全員が化物でも見たかのような悲鳴を上げたんだけど。
それ、人としてどうなの?酷くない?
とりあえず僕は、その場にいた全員を一方的に叩きのめして、その場を後にした。
隊士達をボコボコにしたのは良いけど、気分がちっとも晴れない。
皆、弱すぎだよ。張り合いってものが無い。
…やっぱり、彼女との試合は楽しかったな。僕の太刀筋を見切って、防いだり躱したりするから、十分試合として成り立っていた。
それに‥‥僕‥、負けたし…。
もう一度試合をしてみたいけど、あの様子だと承諾してくれないだろうな。
あぁ、僕って馬鹿だ。
やっと一君以外に張り合いのある人と出会えたのに、自分から捨てるなんて。
暗い雰囲気を辺りに漂わせながら自室に戻る。
襖を開けた途端、部屋からふんわりと甘い香りがした。
部屋にある文机の上を見ると、お茶と三本のみたらし団子があった。
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