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「じゃあ、私も頂きます」
みたらし団子を手に取り、モグモグと食べ始めます。すると、坂本さんは満足そうな顔をして再びみたらし団子を食べ始めます。
普通のよりも少し甘めに作ってあるみたらし団子。
それと前を流れる川を見てたら喉が渇いて来ました。
「…喉渇いた」
どうやら坂本さんも喉が渇いたようです。
私はゴソゴソと風呂敷を探りました。風呂敷の中から現れたのは竹筒です。
実はみたらし団子の他に、お茶も持ってきていたのです。
「坂本さん、お茶を持ってきたんです。いかがですか?」
「ああ、ありがとう」
ここで、私はある事に気付きます。
お茶が入った竹筒は一つしかない。だが、お茶を分ける湯飲みは無い。
私もお茶を飲むとなると、これは必然的に回し飲みになるのか。
いわゆる間接キス的なものになりますよね。
友達同士なら平気なのですが、相手が大人の男性となるとやはり…
「どうした」
「いや…、湯飲み的な物を忘れたんです」
「回し飲みすればいいだけだろ」
坂本さん、そんな軽く言いますが私にとっては大問題なんですよ!
それに
「坂本さんは女の人が嫌いなんですよね!実は私、男の格好をしていますが女なんです!」
「ああ、そんなの気にすんな。知ってるから」
坂本さぁぁん…。もう少しビックリしてくださいよ。これ、けっこう勇気の告白だったんですよ。
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