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「で、どっちが先に呑む?」
もう、回し飲みは決定のようです。
「坂本さん、嫌じゃないんですか?私、女ですよ」
「まぁ、確かにそうだけど、なんとなく蒼蝶は普通の女と違うんだよな。だから平気だと思う」
…それは、坂本さんの中では私は、女と認識されていないのでしょうか。
だから回し飲みも平気だと?
それしか考えられませんね。
「俺は後でもいいけど、どうする?」
「…やはり、私はいいです。坂本さんだけで飲んでください」
「遠慮なんていらねえよ。おまえも喉渇いてんだろ?」
「確かに喉は渇いています。ですが、大丈夫です。いざとなれば川の水を飲みます」
「絶対にやめとけ。腹壊すぞ」
確かに綺麗に洗浄されていない川の水を飲むと、お腹を壊すと思います。この時代に来たばかりの時、井戸の水でお腹を壊しましたからね。
現代の綺麗な水に慣れた体には、この時代の水は少々刺激的な様です。
「でも、お腹を壊しても構いません。ですからどうぞ」
「そんな事言われたら尚更に飲みにくいだろ。…ほら、俺は飲まないから飲め」
「いっ、いいです!元はと言えば、坂本さんの為に用意したお茶ですから!」
「だったらどうするんだよ。俺はとにかく喉が渇いた」
「だからどうぞ、飲んで…」
「だが、おまえが飲まないなら飲まねぇ」
う゛ぅぅ~、だったら…。
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