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「騒がしくてごめんね」
呆気に取られている私に話し掛けてくれたのは、隣にいた流し髪の人です。
「あの、止めなくても大丈夫でしょうか」
「ああ、いいのいいの。いつもの事だから。止めたってまたすぐに喧嘩するんだ。時間と体力の無駄だよ」
「そうですか」
流し髪の人が放って置けと言いますが、やはり心配です。
だって、二人の雰囲気からして、殴り合いにまで発展しそうなんですから。
「ねぇ、聞きたい事があるんだけどいいかな?」
「ええ」
坂本さん達を止めようとしましたが、流し髪の人に引き留められてしまいました。
「君の名前は天宮蒼蝶?」
「えっ、はい。そうです」
なぜこの人が私の名前を知っているのでしょうか。私が覚えている限りこの人と会うのは初めてです。
「どうして私の名前を知っているのですか?」
「そこにいる龍馬から聞いたんだ。男装をした不思議な女の子に会ったってね。
一度会ってみたかったんだけど、意外と早く会えて嬉しいよ」
「はぁ、どうも‥‥‥」
「ちなみに僕の名前は吉田稔麿。稔麿って呼んでね」
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