師匠、私未成年なのに遊郭に行ってもよろしいのでしょうか?

46/50

4486人が本棚に入れています
本棚に追加
/770ページ
「騒がしくてごめんね」 呆気に取られている私に話し掛けてくれたのは、隣にいた流し髪の人です。 「あの、止めなくても大丈夫でしょうか」 「ああ、いいのいいの。いつもの事だから。止めたってまたすぐに喧嘩するんだ。時間と体力の無駄だよ」 「そうですか」 流し髪の人が放って置けと言いますが、やはり心配です。 だって、二人の雰囲気からして、殴り合いにまで発展しそうなんですから。 「ねぇ、聞きたい事があるんだけどいいかな?」 「ええ」 坂本さん達を止めようとしましたが、流し髪の人に引き留められてしまいました。 「君の名前は天宮蒼蝶?」 「えっ、はい。そうです」 なぜこの人が私の名前を知っているのでしょうか。私が覚えている限りこの人と会うのは初めてです。 「どうして私の名前を知っているのですか?」 「そこにいる龍馬から聞いたんだ。男装をした不思議な女の子に会ったってね。 一度会ってみたかったんだけど、意外と早く会えて嬉しいよ」 「はぁ、どうも‥‥‥」 「ちなみに僕の名前は吉田稔麿。稔麿って呼んでね」
/770ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4486人が本棚に入れています
本棚に追加