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少しだけ稔麿さんからの頭ナデナデを受けていると、彼の背後に坂本さんがヌッと現れました。
「どうしたの、龍馬。…って痛い痛い!!無表情で僕の腕を掴まないでくれる!?
肉体的にも精神的にも痛いから止めて!」
「‥‥‥」
いきなり、私の頭を撫でていた稔麿さんの腕を掴む坂本さん。その表情は無と言うか不機嫌です。
一体、坂本さんに何が起きたのでしょうか。
色々と気になりますが、とりあえず稔麿さんを助けるのが先ですね。
「坂本さん、稔麿さんが涙目です!止めてあげてください!!」
私が止めると坂本さんが渋々腕を離しました。そして微かに舌打ちをしましたね。
「何、キミ?何が不満なの?おい龍馬、こっち向け」
「気にすんな。ただの気の迷いだ」
坂本さんがツンとそっぽを向きます。その瞬間、稔麿さんの額に青筋が一本現れました。
おぉ…稔麿さんから只ならぬ殺気が…。
その後ろでヅラさんがニヤニヤとしながら顎を撫でています。その顔が気色悪いです。
即刻止めてもらいたい顔ですね。
「蒼蝶」
「はい?」
額に青筋を浮かべる稔麿さんに気にする事無く、坂本さんが話し掛けてきました。
「俺の事、坂本さんじゃなくて龍馬って呼んで」
「龍馬さん…ですか?…何故です?」
「‥‥皆が龍馬って呼ぶから。名前で呼ばれる方が落ち着く」
「はぁ…分かりました」
分かりましたが…なぜ龍馬さんはお顔が赤いのですか?
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