師匠、蒼夜叉って知っていますか?

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*** 「一君」 「何だ」 三番隊との巡察の帰り。僕は隣を歩く一君に話し掛けた。 「巡察が終わったらさ、僕と稽古をしようよ」 「この後は夕餉だ」 「だったら夕餉の後」 「断る」 「何でさ。どうせ夜は暇でしょ?」 僕はそっけない反応をする一君向かって、ムッと頬を膨らませた。 一君は僕を一目見るとすぐに目線を逸らした。 「食事の後の激しい運動は体に悪い。夜ぐらい体を休めろ」 「え~、いいじゃん。一君以外に、僕の相手にふさわしい人は居ないんだよ。僕はもっと強くなりたいんだ。だからお願い」 「アンタがどう言おうが、返事は変わらない。休む事も強くなる秘訣だ」 チェッ、一君のケチ!僕はツンと顔を一君とは逆の方向に向けた。 我なりに子供っぽい怒り方だと思うけど、これ以外の怒り方が分からなかった。 すると一君が呆れたような溜息を吐いた。 「…焦っているのは天宮のせいか?」 「別に焦ってなんかいないよ」 「嘘を吐(ツ)くな。最近アンタは、ずっとサボっていた朝稽古に行くようになっている。 それに、夜は隠れて稽古をしているだろ」 …何で一君がそんな事を知ってるのさ。 もしかして、見られてたの? うわ…何だか恥ずかしいんだけど。
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