師匠、蒼夜叉って知っていますか?

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全身に力を込めて、震えを押さえます。 恐怖する自分を無理やり奥へ奥へと抑え込む。 そして覚悟を決め、鯉口を切りました。 「おい!そこで何をしている!!」 「っ…!?」 気付かない内に背後には数人の男が立っていました。私が動く隙も与えず、一人の男が私の腕を強く掴む。 腕に指が喰い込み、骨がミシッと悲鳴を上げる。 あまりの痛みに、小さな悲鳴が口から漏れてしまう。 「どうした、何があった!」 「こいつがおまえ達の会話を盗み聞きしていたんだよ」 すぐに立たされ、隊士の前に投げられる。体が地面を滑り、腕や頬に焼け付くような痛みが走った。 「こいつは…」 「何だ、知り合いか」 「ああ、最近入隊してきた奴だ。どうしてここに…」 「簡単な事だ、興味本位でおまえの後を追ってきたんだろ。可哀想な奴だ。大人しく家に居れば殺されずに済んだのによ」 男が私の顎を持ち上げ、品定めする様な目で私を見てきます。 私はギリッと歯を食い縛り、相手を睨み付けました。 「…ほう、なかなか綺麗な顔をしてるな。殺すのが勿体無いね」 「男でもこの顔なら買い手がつきそうだ。此奴は殺さずに売り飛ばした方が良くないか?」
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