師匠、蒼夜叉って知っていますか?

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「確かにそうだな。おい、誰か縄と布を持ってこい」 周りにいた男が縄と布を持ってくる為に、この場から離れる。 このままでは…捕まる。捕まったら、二度と新選組には戻れない。 そう直感した途端、体の奥から恐怖が溢れ体が震えた。 「っ…いや!!」 逃げないと…早く、逃げないと…。 体を起き上がらせましたが、すぐに地面に押し付けられてしまいました。 それでも逃れようと、手足をバタバタさせる。しかし、男の力に敵うわけもなく、無意味な抵抗に終わってしまう。 「大人しくしとけよ。傷物にしたくねえんだからよ」 男が私の顔を持ち上げ、撫でる様に唇を触れる。 気持ち悪い、触らないでよっ…! 咄嗟に口を開け、男の指に力一杯噛みついた。 ゴキッと鈍い音が聞こえた。 前歯が指の皮膚を裂き、骨まで届いたのかもしれない。 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!俺の指がぁ!!」 男が私の口から指を引き抜く。男の悲鳴に私を押さえていた力が緩む。 私はその隙を見逃さず、渾身の力で相手を突き飛ばし、距離をとった。 「はぁ…、はぁ…」 口の中に広がる鉄の味。 私は鉄の味を唾と共に地面に吐き出した。 「てっ、てめぇ…!おい、そいつを押さえろ!!」 噛まれた指を押さえながら男が周りに号令を掛ける。 縮む、敵と私の距離。 私はすぐさま刀を抜いて、構えた。
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