4486人が本棚に入れています
本棚に追加
「師匠…助けて‥」
いつの間にか私は師匠に助けを求めていた。
普段なら絶対言わない弱音。
今までどんなに辛くても、師匠に助けを求める事は無かった。
でも…、今の私ではどうする事も出来ない。
死にたくない。これだけは分かる。
でも、体が自分の物じゃないかのように動かない。
どうしたらいいのか分からない。
このままだと、ただ、死を待つだけ。
「師匠…」
助けてください…。
そう思って目を閉じた瞬間
『もちろん、助けるよ。僕が絶対守るって、君の両親と約束したからね』
突然、師匠の声が聞こえました。
最初は自分の頭がおかしくなったのかと思いました。でも…違う。
近くに師匠の気配を感じる。
どこ…?どこにいるんですか…?
『とりあえず、後は僕に任せてゆっくり休みなよ。今までよく頑張ったね、蒼蝶』
体中が春の日差しの様な温もりに包まれた瞬間、私は意識を沈めました。
最初のコメントを投稿しよう!