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でも、喉がカラカラだったので、濃いお茶が渇いた喉に染みわたります。
「…美味しいです」
「そりゃよかったでさァ」
しばらく藤堂さんとふたりで、秋の冷たい風を体に感じながら過ごしていると
「あれ。君、まだ此処に居座ってるの?」
「組長…」
偶然通りかかったと思える若き師匠の姿がありました。
ちなみに私は若き師匠の事を“組長”と呼ぶことにしています。
今まで師匠と呼んでいた人を“沖田さん”と呼ぶのは違和感を感じて、でも、“師匠”とは呼べないので“組長”と呼ぶことにしました。
一週間経過した今でも組長には嫌われています。
会うたびに、疑う様な感じで睨まれていました。
組長の睨みにはいつも心にズキッと来ます。
「平助。早くそんな怪しい奴から離れなよ。いつ寝首を掻かれるか分からないよ」
「総司…、天宮はそんな事しねェよ。ここ一週間、仮の入隊以外何もしてやせん」
「たかが一週間だよ。一週間でそいつの何が分かるのさ。それに…」
組長の鋭い双眸が私に向けられました。
「土方さんから聞いたんだけど、そいつの出生が今でも分からないらしいんだよね。
天宮って苗字はあるらしいんだけど、蒼蝶って言う名前の女はいないんだって。
…自分からも話そうとしないし、怪しすぎるよ。疑わない方が無理だよ」
「総司…!」
「藤堂さん、もういいです。お茶、ありがとうございました!」
私はこれ以上、組長の言葉が聞きたくなくて、逃げるようにその場を離れました。
藤堂さんが私の名を呼びます。
でも、私は走る速度を緩めませんでした。
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