4487人が本棚に入れています
本棚に追加
/770ページ
「遅れてすみませんでした」
すぐに三番隊の皆さんに謝罪をします。すると皆さんは、「別に構わない」と言ってくれました。
三番隊の皆さんはずいぶん心優しいのですね。
「さっそく稽古を始める。まず初めに素振り千回」
なるほど。三番隊の方たちは優しいのですが、斎藤さんの稽古は厳しいのですね。
私は師匠の刀を抜き、隊士の人達と一緒に素振りをします。
「天宮、体が傾いているぞ」
「はいっ!」
斎藤さんが横から注意をしてきます。
六百回を超えた辺りから腕が動かなくなってきました。
朝の稽古は三百回、夕方の稽古は五百回の素振りをしていましたが、連続で千回とかハッキリ言って未知の世界です。
振っている物も木刀や竹刀ではなく、本物の刀。
重い…。
でも、ここで諦めたら自分に負けた気がして悔しいです。
歯を喰いしばり振り続けます。
「止め!少し休憩を取った後、打ち込み稽古だ」
…本当に斎藤さんの稽古は厳しいです。
ちなみに斎藤さんも一緒に素振り千回を行っています。
なのに…なぜ、あんなに涼しげな表情をしているのでしょうか?
汗一つ掻いていませんよ。
いくら季節が秋だとはいえ、おかしくないですか?
私はすでに汗だくです。
「始めるぞ。天宮、早く来い」
斎藤さんの体力は底無しですか?
最初のコメントを投稿しよう!