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「おお、ここだ。天宮君、ここで君の歓迎会をするぞ」
ひとつの店の前に立ち止まると、近藤さんが私の方を見ました。するとすぐの斎藤さんは手を離します。
「ここ、ですか?」
さっきまで手を掴まれていた事もあり、少し斎藤さんを気にしながら店を見ます。
店の燈籠や暖簾には『角』と言う文字が書かれています。
もしかしてここは『角屋』でしょうか。
角屋と言えば山南さんが最も愛した女性、明里さんがいる場所ですよね。
「あの、山南さん」
「はい」
「この店に明里さんと言う方がいらっしゃいませんか?」
私の言葉に山南さんが少しだけ驚きの表情を浮かべます。
「彼女を知っているんですか?」
「はい、まぁ…」
未来では山南さんが愛した女性として有名ですからね。
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