師匠、私未成年なのに遊郭に行ってもよろしいのでしょうか?

22/50

4486人が本棚に入れています
本棚に追加
/770ページ
「…上手く説明できなくて、ごめんなさい」 「いや…。まぁ、とりあえず一番仲良くしたい奴に嫌われてる事は分かった。 …そうか。とりあえずそいつと仲良くなりたいなら、そいつが喜ぶ事をしてみたらどうだ?」 「喜ぶ事ですか?」 「ああ。相手が嫌ってるならこっちから行動しないと、関係はいつまでも平行線だ。 ダメで元々だ。やってみる価値はあると思うよ」 確かに男性の言葉は的を得ている。組長に残された時間は少ないんだ。早くしないと労咳に侵されてしまう。 こんな所でいつまでも足踏みしてる場合じゃない。 でも、組長が喜ぶ事ですか。 ‥‥‥何も浮かびませんね。 「ちなみに貴方は何が喜びですか?」 「俺か?俺は…酒を飲んでる時とか、美味い物を食う時とかだな」 「なるほど。参考になります」 「それはよかった」 この時、男性が初めて笑いました。 その笑顔は陽だまりの様な温かさがあって、見てる人まで幸せにするような笑顔。 私も思わずつられて笑顔になってしまいました。 「さっそく明日から行動に移してみます!」 「頑張れよ」 「はい!ありがとうございました。では、私、そろそろ部屋に戻りますね」 そう言って背を向けると、男性に呼び止められました。 「おまえ、名前は?」 「天宮蒼蝶です」 「蒼蝶…、良い名だな。俺は坂本龍馬」
/770ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4486人が本棚に入れています
本棚に追加