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「…上手く説明できなくて、ごめんなさい」
「いや…。まぁ、とりあえず一番仲良くしたい奴に嫌われてる事は分かった。
…そうか。とりあえずそいつと仲良くなりたいなら、そいつが喜ぶ事をしてみたらどうだ?」
「喜ぶ事ですか?」
「ああ。相手が嫌ってるならこっちから行動しないと、関係はいつまでも平行線だ。
ダメで元々だ。やってみる価値はあると思うよ」
確かに男性の言葉は的を得ている。組長に残された時間は少ないんだ。早くしないと労咳に侵されてしまう。
こんな所でいつまでも足踏みしてる場合じゃない。
でも、組長が喜ぶ事ですか。
‥‥‥何も浮かびませんね。
「ちなみに貴方は何が喜びですか?」
「俺か?俺は…酒を飲んでる時とか、美味い物を食う時とかだな」
「なるほど。参考になります」
「それはよかった」
この時、男性が初めて笑いました。
その笑顔は陽だまりの様な温かさがあって、見てる人まで幸せにするような笑顔。
私も思わずつられて笑顔になってしまいました。
「さっそく明日から行動に移してみます!」
「頑張れよ」
「はい!ありがとうございました。では、私、そろそろ部屋に戻りますね」
そう言って背を向けると、男性に呼び止められました。
「おまえ、名前は?」
「天宮蒼蝶です」
「蒼蝶…、良い名だな。俺は坂本龍馬」
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