Key-words ～Thanks for all～

Scene１：自宅のメモ

パソコンの隙間からメモを抜き取り、２つ折りになったその内容を確認する。

『ケーキが食べたい。

“ChocoChoco”でチーズケーキ買ってきて。』

ここ最近公英はよく置手紙を残す。

きっとこれは彼なりの気遣い。

深夜まで仕事をし遅くまで眠っている私を起こすまいと、連絡事項はメールやLINEではなくメモに書き記して置いていく。

基本的に私は、日用品や食料品の買い出し以外で外出する事はない。

時々行き付けのカフェに行きコーヒーを飲みながら読書に耽る事はあるが、それは仕事が一段落した束の間の休息だもの。

「外出するなら自分で買いに行きゃいいのに・・・。」

そんな文句を垂れながらも、ついつい彼の要望に従ってしまう私。

付き合ってからずっと献身的に彼の面倒を見てきた。

年齢は１つしか違わないけれど、公英の方が年下という事もありつい甘やかしてしまうのが私のダメな所。