麻生勝美と筑波洋子

11/19
前へ
/19ページ
次へ
「……うわぁ、マズイかも」  一方、渋い顔で困ったように呟く風見さん。  当然だ。  正直、今の装備では相性が悪すぎる。  プラズマライフルで遠距離攻撃をしてくるソラに対し、ヴィードには単発サンダーボルトと大剣しか武器が無い。  足の速さはヴィードの方が勝っているといっても、ヴィードも大剣のせいで走る速度が落ちているので、その優位性もわずか。  それでも、そのわずかな優位性を生かして、近接攻撃をする為に走って近付こうとすると、ジャンプして逃げられてしまう。  当たり前だが、走るよりも飛んだ方が早いので、そうやって逃げられるとヴィードには追いつけない。  そうやって距離を取った後、ヴィードからの攻撃が届かない空中から放たれる、プラズマライフル。  あんな不安定な体勢で、よくもまぁ上手く狙えるもんだ。  一発のみのサンダーボルトと大剣だけでこれに対抗するのは、正直厳しいだろう。  せめてこっちにも、何か一つでいいからまともな遠距離武器があれば良かったのに。 「あ、そうそう」  洋子ちゃんが不敵な笑みを見せる。 「空高く飛んだり跳ねたりするだけじゃなく、ジャンプブーツにはこんな使い方もあるんですよ?」  次の瞬間。 「!?」  ソラが、ヴィードに向かって物凄い速さで突っ込んできた。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加