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「……麻生勝美」
「え?」
「私の、名前」
こちらが黙っていると、向こうから自己紹介してくれた。
「悪い。年上なんだし、俺の方から先に自己紹介すべきだったな。俺の名前は結城正一だ。宜しく」
「私の名前は風見麻白。宜しくね、勝美ちゃん」
「……正一と、麻白」
覚えて貰えたらしい。
……勝美ちゃんか。
ちょっと無口というか無表情というか、大人しい子なのかなと思ったが、見知らぬ中学生に突然バトルを挑む辺り、案外度胸がある。
いや、それともあれか?
コアフレンズをやってる奴は皆そんなもんなのか?
後で風見さんに聞いてみよう。
「勝美ー、その人達誰ー? 知り合い?」
いつまで経っても戻ってこない友人に痺れを切らしたのか、彼女と一緒に座っていたもう一人の小学生もこちらにやってきた。
(友達か?)
その顔を近くで見た瞬間。
「「!?」」
思わず風見さんと目を見合わせた。
(か、可愛い……!)
そう、この子もの凄く可愛いのだ!
テレビの子役というより、雑誌のキッズモデルといった感じだろうか。
お洒落な服装であか抜けた雰囲気。
勝美ちゃんも十分に可愛い子なのだが、こっちの子は何というか、オーラが違う。
自分の容姿の価値魅力を完璧に把握して、最大限まで磨き抜き、洗練させている。
最近の小学生、レベルたけぇ……。
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