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[ピ!]
「うわぁ、凄い、本物だぁ……初めて見た」
洋子ちゃんが瞳をキラキラさせて、なゆたを様々な方向から観察する。
やっぱり珍しいんだな、こいつ。
「勝美が自分から人にバトル挑むなんて、おかしいと思ったんですよね」
あぁ、やっぱり見知らぬ人にいきなりバトルを挑むのは、当たり前の行動では無いのか。
聞くと、シザンサスには勝美ちゃんだけではなく、洋子ちゃんも一緒に来ていたらしい。
だが、洋子ちゃんがトイレに行っている間に、勝美ちゃんが突然姿を消してしまった。
必死に探してやっと見つけたと思ったら、なんと今まで見知らぬ人とバトルをしていたと言うのだ。
しかも、相手から挑まれたのではなく、自分から声をかけて。
人付き合いの苦手な勝美ちゃんが、自分からバトルを挑むなんて絶対におかしい。
そこで、どうして挑んだのと聞くと、カグヤが動くところが見たかったと勝美ちゃんは答えた。
「……それで、私も生のカグヤを見てみたかったので、すぐに結城さん達を探したんですけど見つからなくって。そうしたら勝美が……」
「勝美ちゃんが?」
「『あの子、装備がイマイチだったから、もしかするとamigoに行けば会えるかもしれない』って」
あぁ、そう言えば最後に、装備ちゃんとしたの着せてあげてって言われたっけ。
「スウィートアクションシリーズ用の装備なんてここら辺で買えるのamigo位ですからねー。勝美の言う通りでした」
会えて良かったですと洋子ちゃんが微笑む。
実はそんな事俺は全然知らなくて、今日は風見さんにたまたま連れて来てもらっただけ、という事は言わないでおこう。
「……服」
「ん?」
勝美ちゃんが洋子ちゃんの横からなゆたを覗きこみながら言う。
「新しくなってる……」
「あぁ、下で買ってきたんだ。これならどうだ?」
「良いと思う……うん。可愛い」
少し頬を赤らめ、小さくコクリと頷く勝美ちゃん。
……表情に変化が無い分、こういう時凄い可愛いな。
「そうだ!」
パチン、と洋子ちゃんが手を叩く。
「折角なので、私とバトルしませんか?」
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