麻生勝美と筑波洋子

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「あー……バトルね」  少し迷ったが、俺がまだ初心者である事、武器をまだ買い揃えていない事を洋子ちゃんに告げる。 「なるほどー。そういう事だったんですね」  これで、勝美ちゃんと俺がバトルした時に、装備が不十分だった事について納得がいったという顔をする。 「あ、それなら私とバトルする?」 「風見さんとですか?」 「うん、私と。……ただ、私のコアフレンズは普通の人間型コアだから、このお店のタイプとは全然違うけど。それでも良かったら」 「いえいえ、全然そんなの関係ないです、嬉しいです。是非是非お願いします」  この店は専門店に近いのでいつも似たようなコアフレンズとしか戦う機会が無いらしく、むしろ新鮮で良いと洋子ちゃんが喜ぶ。 「では、早速やりましょう。結城さんとはまた今度ですね」  そう言って、いそいそとスタンバイを始める洋子ちゃん。 「あ、そうだ」  風見さんがこちらを向く。 「何? 風見さん」 「シザンサスで今日なゆたちゃんに買ってあげた武器。あれを借りても良いかな?」  シザンサスで買った武器……。  弾が一発のみで使い道の少ない無いサンダーボルトと、なゆたじゃ重くて振り回せない大剣だ。 「それは別に構わないけど……」  むしろいっそ、そのままあげてしまってもいい位だ。 「ありがとう。じゃ、借りるね?」  俺から武器を受け取ると、風見さんもフィールドにつく。  ……あれで勝てるのか?  使い慣れた武器の方がいいと思うんだけど。 「見やすいとこ行こう」 「あぁ、うん」  勝美ちゃんに促されて俺もフィールドに近づく。  考えてみれば、こうして人のバトルを見るのは初めてかもしれない。  自分でバトルした経験は何度もあるのにな。
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