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「それでは行こうか」
「くぅー!腕が鳴るぜ!」
制服を整える深先輩とは対照的に、青人先輩は楽しそうに胸の前で拳と拳をぶつける。
「喧嘩に行くわけじゃないんですよ、青人先輩」
青人先輩を見て、呆れの溜め息をつく真命。
けど、そんな真命の目にもヤル気が満ちている様にも見える。
「絶体に《奴ら》の好きにはさせん......!」
決意を固めたジークの表情を見て、私は一瞬不安を覚えた。
良くないことが起こりそうな......そんな感じ。
私はその思いをすぐに振り払い、私たちは家を後にした。
◆
「目的地はどこなの、恵美?」
「えっとねー、ここから結構離れた所にある廃工場だよ」
家を出た直後、真命は恵美に振り返りながら問う。
恵美は携帯の地図を俺たちに見せながら答える。
「......こんな所に呼ぶなんて......つくづく怪しいです......」
華菜は不信感をあらわにしながら地図を見ていた。
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