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ふむ......何らかの罠としか考えられないな。しかし、それはあっちも承知の上か。
「気にしてても仕方ねえだろ。さっさと行こうぜ」
「待て、青人」
せっせと先を行こうとする青人を呼び止めるマリアナ。
たぶん、あれをやるのだろう。これから戦いが起こるかもしれないからな。
「何だよ、マリア............」
「今から武器を取り出すから黙れ」
「ひでぇっ!?」
マリアナからかなり冷淡な声で制される青人。
マリアナは戯れているのか、それとも素なのか......
「ん?何だ、ジーク?」
「い、いや、何でもない......」
危ない......危うく顔に出てしまうところだったぞ......
「青人先輩はどんな武器かな?やっぱ、棍かな?」
恵美はワクワクしながら、詠唱を始めるマリアナを見る。
武器を取り出されるとは露知らずの当の本人は、ただただキョトンとしていた。
「これから何が始まんだ?」
「まあ、見てのお楽しみだよ」
首を傾げる青人に、深は微笑みながら答える。
ふと、俺は右手をつつかれる感覚を覚え、振り返る。
俺をつついたのは華菜の様だ。
「ジーク......もし戦いになったら、私はどうすれば良いのでしょうか......?」
「その時は皆とともに隠れていてくれ............やはり、怖いか?」
華菜は不安そうな声で語りかける。
俺はそんな華菜の頭を撫でながら問う。
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