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「......はい。皆さん割り切っていますけど、私はやっぱり不安です......」
華菜は『ファントム・ゼロ』を思いきり抱き締め、消え入りそうな声で話す。
「......大丈夫だ、華菜。もし、戦いになったとしても、お前も皆も守ってみせる」
「ジーク......」
自分の決意を話す俺を、華菜は頬を紅潮させて見る。
......?何故、そこで赤くなるのだ?
「今からでも帰って良いんだぞ、華菜」
俺は気を遣って華菜にそう言う。
華菜はしばらく俯いて黙っていたが、やがて意を決した様に口を開く。
「......ううん、私も......私も行きます............ジークから光をもらってるだけじゃ駄目だから」
そう言った華菜に、さっきまでの迷いと不安で押し潰されそうな表情はなかった。
「......そうか。だが、くれぐれも危険な真似はするなよ?」
「はい、ジークには心配かけません......」
俺は念入りに言い聞かせ、華菜は少し表情を和らげて頷く。
「二人で何を話しているんだい?」
「......内緒です......」
「まあ、そういうことだ」
俺たちの返答を聞いた深は「そうですか......」と不思議そうな表情で呟いた。
「終わったぞ」
マリアナは一息つきながら、右肩を回す。
青人の目の前には毎度お馴染みである光る何かが現れていた。
そんな光る何かを、青人は珍しそうにまじまじと眺めていた。
「......?何だこれ?」
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