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マリアナは指をピンと立てて、そう補足する。
つまりは短期決戦型か......
「うへぇ~、そいつは気をつけねぇとな」
「......青人さん、バンバン使っちゃって下さい......」
「ちょっ!?なんつーことを言うんだ、冬野!?」
「......すいません、ついうっかり......」
気のせいか、華菜の周りに黒いオーラが見える様な、見えない様な......
「これから大事な時かも知れないのに、僕たちってマイペースだよね」
深は苦笑いを浮かべていたが、まんざらでもない感じだった。
まあ、その点には同意だな。
「ほら、もう武器の説明は終わったのだろう?早く行くぞ」
「うん............ねえ、ジーク」
「何だ、恵美?」
俺は恵美の方へと振り向く。
恵美は頬を少し赤らめていたが、すぐに微笑みに変わる。
「無責任なセリフかもしれないけど............ジークのこと、信じてる」
恵美は微笑みを、花が開く様な笑顔に変えて俺に言った。
信じてる......そう言われたら、張り切るしかないよな。
俺たちは《奴ら》......『ドッグハント』が待ち構えているであろう、廃工場へと向かう。
◇
「ここが『ドッグハント』っていう方々が待っている場所だね」
辺りを見回しながら、深先輩はそう言う。
廃工場はかなりの大きさで、所々にやっぱり錆やら苔がついている。かなりの年季だと思う。
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