7. 襲い来る脅威

17/51
前へ
/93ページ
次へ
錆はついてるわ、人気はないわで何か心霊スポットみたい。 一体何を作っていたのだろうとさえ思っちゃうよ。 「......ここって何の工場でしょうか......? 」 「知らねぇな......それより、『ドッグハント』の野郎はどこだよ?」 青人先輩は辺りを警戒しながら、周りに落ちている石を蹴りとばす。 辺りに広がるのは、石が転がる空しい音だけ。 ......いきなりバックアタックとかサイドアタックとかはなしだよ? 「呼び出しといて何なの、全く......」 「油断するなよ。どこに潜んでいるか分からんしな」 溜め息をつく真命に、ジークはそう注意を呼びかける。 すると...... 「どうも、『ドラゴンハート』の諸君。ごきげんよう」 突如、謎の青年が工場の影から姿を現して、一礼をする。 蒼の髪色、黄色の瞳。そして、ここら辺では見ない格好......明らかに日本人じゃないよ。 ふと、ジークたちの方を見ると、二人の表情には手紙を見ている時よりも、更に強い敵意があった。 「あんたが手紙の差出人?」 真命は軽く睨みながら、相手の様子を窺う。 「如何にも。私はドーベル。『ドッグハント』のリーダーをしている。そして、こちらが......」 ドーベルと名乗った青年が手を工場の影に向けると、四人の男女が姿を現す。 一人じゃないと思ってたけど、まさかこんな戦隊モノ並の人数だなんて...... 「ヤッホー!あたし、テリアって言いまーす!」 程よい長さの金髪を、ツインテールの様に束ねた小柄の少女は、笑顔で敬礼をする様に名乗る。
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加