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青人が『ドラゴンハート』に加わった次の日。土曜日。
今日は空を飛ぶのに適した晴天だ。
俺たちはメンバー全員で、町内をパトロールして終わったところだった。
「んんー......!今日は良い天気だねー!」
恵美は両手を天に掲げ、伸びをする。
その緩んだ表情は実に気持ち良さそうだ。
「平和を実感するね」
「......はい......」
微笑みながら空を眺める深に、コクりと同意して頷く華菜。
平和、か......
「今日も異常なーし!」
「ああ、そうだな」
満足そうな真命に、俺も微笑みながら頷く。
ふと、俺はマリアナの方へと振り向く。
マリアナは深く考え事をしている。
昨日からずっとこの調子だ。
「マリアナ、どうかしたかよ?」
「......ん?いや......」
青人の問いに、かなり素っ気なく答えるマリアナ。
やはり、《奴ら》の事を気にしているのだろうな......
「ホント?何か元気ないよ?」
「......そうか」
恵美も流石に心配なのだろう。
恵美の表情がそれを物語っている。
「腹でも痛いのか?」
「いや、青人先輩じゃないんですから......」
首を傾げながらマリアナに問う青人を、呆れの目で見る真命。
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