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「......恵美さんだけじゃなく、私たち宛でもあるみたいですね......」
華菜は序盤の挨拶文からそう解釈する。
皆宛って珍しい......ていうかおかしい?
「私は『ドッグハント』と呼ばれる部隊の者だ」
「!?」
マリアナは『ドッグハント』という名前を聞いた途端に、驚愕の声を上げる。ジークも驚いている様子。
何だろう......?
私はマリアナとジークの反応が気になりつつも、手紙を読み進める。
「突然の手紙で悪く思うが、要件を聞いてほしい。その要件というのは、私たちに会ってもらいたいのだ」
「変な要件だなー......」
青人先輩は頭の後ろで腕を組んで言う。
やっぱり告白を!?......なわけないよねー......
「その時に、そちらのお宅にいる竜と少女を連れて来てほしい」
「何で、ジークとマリアナが恵美の家にいるって知ってんの?」
真命は不思議と不信感を混ぜた様な表情を浮かべる。
「くそっ......もうお見通しということか......」
ジークは怖い表情で歯ぎしりをする。
小さいジークでさえ、こんなに怖いんだから、大きくなったらもっと怖いだろうな......
私は険しい表情を浮かべるジークとマリアナに、僅かばかりの恐怖心を感じた。
「......恵美さん、続きを......」
「えっ?あ、うん......」
華菜に言われて、私は慌てて気を取り直す。
......とりあえず、この手紙はジークたちにとって、良くないものだとは分かったよ。
「もし、要求を飲まないのであれば、その場合は紳士的ではないが武力を行使させていただく」
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