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「随分穏やかじゃないね......」
深先輩は眉をひそめて、警戒の色を浮かべる。
これって脅迫?ドラマとかである様な......
「指定された場所、時間に来てくれることを願う」
「何か、マフィアの密輸みてーな感じだな......」
「そんな冗談言ってる場合じゃないですよ」
戸惑いの表情を浮かべながら頭を掻く青人に、真命はジト目を向ける。
「良い返事を期待しよう。それでは、失礼した『ドッグハント ドーベル』」
私は手紙を読み終えて、「ふぅ......」と一息つく。
何というか、ホントにアニメやマンガみたいだね......
「......どうするんですか、ジーク......?」
華菜は不安そうに、ジークの顔を見上げる。
ジークとマリアナは、未だに表情を険しくさせていた。
「俺とマリアナ、二人でその指定位置へと行く」
「二人だけで行くつもりなのかい?」
「ああ、もちろんだ」
心配そうに問う深先輩に、マリアナはきっぱりと答えた。
「そんな!あたしたちも行くよ!」
「駄目だ。お前たちは来てはいけない」
身を乗り出して言う真命に、ジークは首を振って拒否する。
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