操り人形

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なくなると思っていた噂は 瞬く間に社内に広がった。 他の部署からは隔離された 塔の上まで。 「…なんなの、あの噂」 息を荒げて目つきの鋭いのが理央。 「ホント、信じらんない」 奈美も額に血管が浮き出てきそうだ。 あの噂の出処(デドコロ)はわかっているものの 噂というのは常にカタチを変えて大袈裟に広まるもの。 私たちがここまで苛立っているのは 尊敬する上司を陥(オトシイ)れるような噂話にだけではなく 完全に私たちも巻き込まれていたからだ。 …特に 私が。
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