3944人が本棚に入れています
本棚に追加
なくなると思っていた噂は
瞬く間に社内に広がった。
他の部署からは隔離された
塔の上まで。
「…なんなの、あの噂」
息を荒げて目つきの鋭いのが理央。
「ホント、信じらんない」
奈美も額に血管が浮き出てきそうだ。
あの噂の出処(デドコロ)はわかっているものの
噂というのは常にカタチを変えて大袈裟に広まるもの。
私たちがここまで苛立っているのは
尊敬する上司を陥(オトシイ)れるような噂話にだけではなく
完全に私たちも巻き込まれていたからだ。
…特に
私が。
最初のコメントを投稿しよう!