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…どこに…
…いるんだろう。
彼女の行きそうな場所に…
見当がつかなかった。
仲良くなれたつもりでいたのに…
彼女のことをあまり知らない自分が少し…情けなかった。
彼女が辛いときに
見つけてもあげられない。
私は携帯を取り出した。
廊下の隅に寄って、彼女の番号を表示させた時だった。
「桐谷さん…」
彼女の沈んだ声が私の耳に重く響く。
沈んだ声色だったことに自分で気付いていないのか、もしくは誤魔化そうとしているのか、
野崎さんは強張った顔に無理やりに笑顔を張り付けた。
その痛々しい笑みを無駄にしないように、
私は小さく深呼吸してから彼女に明るく切り出した。
「野崎さん、明日、夕飯一緒に食べに行かない?ずっと前から言ってたのに、全然行けなくって…明日は…どうかな?」
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