操り人形

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彼女は照れながら答える。 「…室長は…誰にだって優しいもん」 …たしかに。 室長は誰にでもやさしい… でも… 「野崎さんには特別優しいんじゃないの?」 「そんなこと…わかんないけど」 「きっとそうだよ」 「…そうかなあ」 「そうだよ」 夜道で二人、年甲斐もなくはしゃいでいた。 「お腹空いたねー」 「ホント、ぺこぺこ」 「焼肉って言ったら、何頼む?」 「タン!!」 店に着くまで、私たちの会話は途切れることはなく 久しぶりに会社の外で人目を気にせず 楽しい夜が 始まる… はずだった。
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