第四話

10/24
前へ
/737ページ
次へ
足早に歩く彼を追いかけ、着いたのは公園だった。 「春さん、ブランコ乗ろ!」 私の返事を待たずに彼は思いっきり漕ぐ。 私は隣のブランコに座り、また悩む。 こういう時、女の子は一緒にはしゃいだ方が良いのかな。 それともお上品に微笑ましく見ていた方が良いのかな。 なんて考えていると、彼は漕ぐのを止めザザッと足で勢いを止めた。 「なぁ。緊張するの止めてくれない?」 「そ、そんなこと言われましても」 「前に会った時はもっと普通だったのに」 普通…と言われたら、初めて会った、あの転がり落ちそうになった時だ。 覚えててくれたんだと、頬っぺたが緩む。 「だって!あの時は意識なんてしなかった…から…」 「ふーん。今は意識しちゃってんのかー」 「なっ!」 あぁ墓穴掘った。あぁ顔が熱い。
/737ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加