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足早に歩く彼を追いかけ、着いたのは公園だった。
「春さん、ブランコ乗ろ!」
私の返事を待たずに彼は思いっきり漕ぐ。
私は隣のブランコに座り、また悩む。
こういう時、女の子は一緒にはしゃいだ方が良いのかな。
それともお上品に微笑ましく見ていた方が良いのかな。
なんて考えていると、彼は漕ぐのを止めザザッと足で勢いを止めた。
「なぁ。緊張するの止めてくれない?」
「そ、そんなこと言われましても」
「前に会った時はもっと普通だったのに」
普通…と言われたら、初めて会った、あの転がり落ちそうになった時だ。
覚えててくれたんだと、頬っぺたが緩む。
「だって!あの時は意識なんてしなかった…から…」
「ふーん。今は意識しちゃってんのかー」
「なっ!」
あぁ墓穴掘った。あぁ顔が熱い。
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