第四話

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でも沙也みたいな可愛らしい女の子を目指すのは程遠いと実感したばかり。 素の私が彼の好みに少しでも近いのなら。 冷やかしではなく昨日のOKが本当なら。 緊張している場合じゃない。 私が気になっていたのは友達と一緒に居る時の彼じゃなく、初めて会った時の私服の彼。 私を助けてくれた優しい彼だから。 気付くと彼もまたブランコを漕いでいた。 楽しそうに、嬉しそうに笑っている。 そんな彼を見て久しぶりに胸が疼く。 「あの時ぶつかってくれてありがとう!」 「はぁ!何だよそれ、嫌味かよ!」 間違えた。 「たす、助けてくれて!ありがとうございました!」 間違い無い。 可愛らしい女の子になりきるなんて、演じるなんて私には不可能だ。
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