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過去から未来へ
その話はとうの昔に完全に完結していたはずだった
報われない話
聞くに堪えられない話
無駄な話
その話がこの時代まで残ってきた理由がよく分からない
それは文献としてだけ、ほんの少し残っている程度だった
人々はその話を忘れた
記憶というのはあやふやなものだ
だからこそ、その話の本質も内容もきちんと伝承はされない
いつの時代も真実は残る
しかし、その真実は誰のためのものだろう
誰のために物語は残るのだろう
その存在に価値はあるのだろうか
過去に封印され、忘れられたもの
なぜ今になって?
終わっていたはずの存在は再び生を得た
なんのために?
真実を得るために?
ではその真実は誰のために?
それはもちろん、一人のために………
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