1 見上げればそこに

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 過去から未来へ  その話はとうの昔に完全に完結していたはずだった  報われない話  聞くに堪えられない話  無駄な話  その話がこの時代まで残ってきた理由がよく分からない  それは文献としてだけ、ほんの少し残っている程度だった  人々はその話を忘れた  記憶というのはあやふやなものだ  だからこそ、その話の本質も内容もきちんと伝承はされない  いつの時代も真実は残る  しかし、その真実は誰のためのものだろう  誰のために物語は残るのだろう  その存在に価値はあるのだろうか  過去に封印され、忘れられたもの  なぜ今になって?  終わっていたはずの存在は再び生を得た  なんのために?  真実を得るために?  ではその真実は誰のために?  それはもちろん、一人のために………             ・
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