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「ここ、か」
手にした小さなメモに示されていたのは、管理事務所のババァが手書きした全く理解不能な地図。
それでも迷う事なく来れたのは何て事はない。
目的の場所は、ここら辺一帯を占めるマンモス団地だったからだ。
といっても、若年層離れで空室が目立つ。
そして高齢化の波が、こんな世界にも多大な影響を与えていた。
【孤独死?】
【ああ、そこの団地。最近多いんだよ。だから民間ボランティアが入り込んでるんだ】
その善意の隙間を突くという訳か。
反吐が出る。
だが俺もそれに加担するのだから、同じ穴のムジナというヤツなのだろう。
【空いてる部屋に優先的に若いのを入居させてくれるんだよ】
【で?俺にどうしろっての?】
【とりあえず隣近所、あ、向かい上下と仲良くしてよ】
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