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「な、な…!?」
目の前に、綺麗な顔した昂平の姿。
ベッドに転がったあたしの両腕を押さえ込んで、あたしの上に四つん這いで君臨する。
天井から降り注ぐ人工的な光も、今のあたしには届かない。
それほど、昂平の顔は近かった。
その綺麗な顔立ちに、息が止まりそう。
固まっているあたしに、昂平は言った。
「あずみは、赤くなったりしねーんだ」
魅惑的な声。
その囁きに、あたしは瞬時に目を見開く。
“あずみは”…って、ああ…。
そういうことね。
“他の子たちは”昂平にこんなされて、赤くなるってわけだ。
「…赤くなるわけ…ないじゃん」
顔を逸らして、冷たく言った。
何も感じないと、
赤くなんかならないと、
突っぱねる。
だって、赤く…なるなんて、昂平を好きだと言ってるよう。
そんなこと、絶対に起こらない…!
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