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そう答えたあたしを、昂平はいつものように冷たく見下ろした。
瞳の色は、今では隠した電灯のせいで、よく見えない。
その冷たい瞳には、あたしが映っているのかさえ分からない。
ただ、じっと…あたしを真下に閉じ込めて、色味のない瞳で見下ろしていた。
「お前見てると、ムカつくんだよ」
昂平の抑揚ない言葉が胸に突き刺さる。
あたしはいつも、ひっそりと暮らしている。
派手なこと、目立つようなことなんて、ひとっつもしてない。
それでも、あたしを見てるとムカつくと言うのならば、それは昂平の責任。
そんなあたしのことがキライなら、あたしのことなんて……あたしなんて、見なければいいのに…っ!!
「や…めてよ…!」
あたしは昂平に掴まれている腕をグッと揺らした。
どうせまた、こうやって笑えない意地悪をする。
…いや、意地悪なんて言えない。
これは悪質な“イジメ”
どうせこうやってあたしを脅して、そして明日仲良しな“お友達”に報告する。
…そんなの、分かってる。
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