≠1 キライ

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「…どいて!あたしにこんなことしなくても、昂平の相手をしてくれる子なんてたくさんいるんでしょ!?」 だんだんと平然を装うことが難しくなっていた。 本当は息が止まってしまいそうなこと、いつまでバレずに居られるか分からない。 バレてしまってはいけない、と心の中のあたしが警鐘を鳴らしてる。 昂平が掴む力が、いつまで経っても緩まない。 どんなに平然を装っても、こんな…こんな体勢…っ。 「…とか言って。震えてんじゃん。ホントは何か期待して緊張してんじゃねーの?」 そんな嫌味な声色が、耳元で弾けた。 ゾクッとしてしまうその甘い声、それを必死ではね飛ばす。 キッと、鋭い目付きで昂平を睨んだ。 コイツのどこがよくて、みんなキャーキャー騒いでるんだ! あたしは他の子達とは違う。 昂平を傍で感じたってあたしは頬を染めたりなんかしない。 キャーなんて言わない。 だって、キライ。 大ッキライ、なんだから!! 平然を装って、本当は怖くて震えている心を隠して、昂平から視線を外した。
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