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「…震えが出るくらい、嫌で嫌でしょうがないのよ!」
この場で昂平が怒って立ち上がることを期待して、思いきり、大声で、吐き捨てるようにそう言った。
自分でも驚くほど、低い声。
これで昂平は、この言葉が本心だって思ってくれるかしら。
心臓は、すでにメーターを振り切っている。
もうこのままでは、あたしは卒倒してしまう。
そんなあたしの言葉を聞いて、昂平が押さえていた腕をすっと離した。
予想通り!とホッとして、体を起こそうとした。
その時。
「……っ」
きつい圧迫に体が奪われた。
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