≠1 キライ

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あたしを押さえつける、昂平の強い力。 さっきの比じゃない強い力に、どう抗っても太刀打ちできない。 ビリビリと体中に電撃が走る。 目を見開いて、あたしに触れている昂平を見た。 昂平の瞑ったまぶた。 何も感じていない、冷たいまぶた。 誰も触れたことのない唇に、昂平の唇が触れている――…。 冷やかな唇があたしの唇に分け入って、冷たい舌を絡めようとしている。 「――…っ」 その瞬間、ビリッと電流のようなものが走った。 初めての感覚に、胃の近くが握られる。 「……やっ……っっ」 そんな不埒な行動に、必死に抵抗の色を見せつけた。 ドン!と懇心の力で、昂平の硬い胸を叩く。 この感覚は、“良くない”。 体がまるで他の誰かのもののようだった。 こんな感覚をあたしは知らない。 力いっぱい押された胸に、不機嫌そうに動く目許。 強い瞳があたしを映し、昂平の手のひらに力がこもる。 漆黒の瞳に奪われる。 「キャ…!」
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