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思い通りにならないあたしに、怒りを見せつけるかのように昂平が力を強めた。
そんなに力を入れなくたって、もう、あたしは限界に近づいてきている。
うまく、呼吸すらできない。
それでも昂平は力で、あたしを奪おうとしてきた。
触れる手のひらがだんだんとエスカレートしている。
分け入ってくる昂平の冷たい手。
「…ぁ…ッ、や、やめて!!」
思いきりの力を振り絞り、あたしの上に乗っかっていた昂平を跳ね飛ばした。
はぁはぁと息を荒げながら、はだけそうになった胸元をあたしは必死で押さえる。
「な、何の真似!?…地味で冴えない幼なじみに、こんなことするのがアンタ達の遊びなの!?」
溜まる涙を見せまいと、あたしは強気の目許で言った。
…信じらんない。
悪魔なコイツ。
今まで、こんな“虐め”は一度だってしなかった。
今までの虐めでは、満足できなくなったってこと!?
その唇は、何人女の子と触れ合ったの!?
昂平と触れ合った唇を、ギュッと拭う。
なんて…なんて奴…っ!!
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