≠1 キライ

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思い通りにならないあたしに、怒りを見せつけるかのように昂平が力を強めた。 そんなに力を入れなくたって、もう、あたしは限界に近づいてきている。 うまく、呼吸すらできない。 それでも昂平は力で、あたしを奪おうとしてきた。 触れる手のひらがだんだんとエスカレートしている。 分け入ってくる昂平の冷たい手。 「…ぁ…ッ、や、やめて!!」 思いきりの力を振り絞り、あたしの上に乗っかっていた昂平を跳ね飛ばした。 はぁはぁと息を荒げながら、はだけそうになった胸元をあたしは必死で押さえる。 「な、何の真似!?…地味で冴えない幼なじみに、こんなことするのがアンタ達の遊びなの!?」 溜まる涙を見せまいと、あたしは強気の目許で言った。 …信じらんない。 悪魔なコイツ。 今まで、こんな“虐め”は一度だってしなかった。 今までの虐めでは、満足できなくなったってこと!? その唇は、何人女の子と触れ合ったの!? 昂平と触れ合った唇を、ギュッと拭う。 なんて…なんて奴…っ!!
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